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私のチュン 連載24

私のチュン


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2008/09/28
 老化は仕方がない (2) 戻る次へ


 思えば、チュンの老化の兆しは食事のときにも顕著に現れていたのである。

§§ お弁当
 ご飯粒はどうしても粘り気があり、食べかすがよく嘴 くちばし に付いたりするもので、これは仕方がないことである。


 それでも若かりし頃は、こういったお弁当が付いたりすると、すぐに、例えば私の指などにこすり付けて取り除くのが常であった。 嘴の神経が敏感であったのだろうし、また、野生は元来、綺麗好きである。

 バードウォッチング をしていても、お弁当を付けた鳥など、これまで見たことがない。 鳥に限らず、犬でも猫でも同じだろう。 また、私は偉そうには言えないが、"生きる" とはそういうもんだろう。


 それがいつしか、くちばし中お弁当だらけになっても平気になってしまった。 それはそれで他人事だから勝手だが、嘴を拭うのではなく、ときどきブルッと頭を振って落とそうとするものだから、どこに飛んでくるか分からない。 目や口に入っては嫌である。

 仕方がないから、ご飯粒を一粒ずつ口で舐めなめして、粘り気をとってから食べさせるようにしたものだった。 ただ、時間がかかるようになったのは仕方がない。 それでも食べっぷりはよかったのである。






§§ 時間がかかる
 ところが、最近では更に時間がかかるようになったのである。 手でつまんで口元に差し出して与えるのは昔と変らないが、目も悪くなっているのだろう、取りこぼすようになったのである。


 食べやすいように手を持っていってやらねば取りこぼすのである。 そのことに気が付いた。 ご飯粒が見えているのではなく、私のつまむ手の形がぼんやりと見えているのだろうと気が付いたのである。

 差し出す親指と人差し指の間を嘴 くちばし で探っているようである。 特に、その差し出すときの手の角度が重要である。 もちろん、チュンも頸をひねって嘴の角度を変えたり、試行錯誤しながら上手く食べたりできるが、出来るだけ無駄な動きをさせたくはない。

 チュンを労わるためというよりも、早く食べ終わらせないと、こちらの食べるのが遅れるだけである。 こういうこともあって、最近では家内がチュンの世話をしてくれている。


 チュンは食事時になると私の傍に来て催促するから、一粒二粒食べさした後から、家内にバトンタッチするのである。

 チュンは食べさして貰っているという気は全くないから、満腹すると、そそくさと我が家に引き上げて行くのであるが、必ずと言っていいほど、お土産を置いて行くようだ。 横で家内が 『チュンの馬鹿ぁ ・・・ 』 と叫んでいる。

 不思議なことに、私の手に居るときには脱糞を我慢しているようであるから、よほど腹立たしかろう。


 チュンが食べ易いように手を持っていくから、傍目には何ら問題ないように写るかもしれない。 しかし、初めての人がチュンに食べ物を与えようとしても、きっと上手く行かないだろう。






§§ 野生の名残り
 かっては、大好物の籾殻 もみがら つきの米粒でも、嘴に挟んでコロコロ転がしながら、上手に殻だけ取り除いて食べていたのである。 実に見事に籾殻だけを取り除いて食べていた。

 また、素麺なら三センチほどの長さでも、上手に飲み込んでいたのである。 チュンは、実際には稲穂もミミズも見たことがないのであるが、遺伝子に野生の感覚が組み込まれていたのであろう。


 それがいつしか籾殻を割ることが出来なくなった。 ころころと回せなくなったのか、嘴の力が無くなったのか、すぐにぽろりと落としてしまうようになった。  また、長い素麺も飲み込めないようになり、食い千切りながら食べるようになった。 それもこれも、歳のせいに違いない。


 素麺を飲み込むような芸当は、野生ではないチュンにとって、まだ食べたことがないミミズを相手にするのと違って、それほど重要なことではない。 ただ、籾殻つきの米粒を食べれなくなるのは辛かろう。

 仕方なく、私が籾殻を爪でひねって割目を付けてから与えるようにした。 食べるといっても10粒程度なので、その手間はたかが知れている。 私もチュンが喜んで食べるのを見るのが嬉しい。






§§ 咽喉部に何か問題が ・・・
 最近では、その大好物の籾殻つきの米粒なのに、それも籾殻を取り除き易く細工をしたものなのに、ぽろりと落とすようになった。 また、はじめから籾殻を取り除いたものを与えても同じであった。 口に入れただけであきらめている様子である。

 さらに、ご飯粒でも同じで、一粒を丸呑みできなくなったようである。 ご飯粒を三分の一ほどをかじり取り、うにゅうにゅと嘴でころがすようにして、頃合を見て飲み込もうとするのであるが、それも喉にはなかなか通らないようである。 ときどき、飲み込めないでポロリとこぼしてしまうのである。


 チュンの頭と同じほどの大きな嘴だから、人間に言い換えれば頭の半分以上は口であるから、米粒の一つや二つ丸呑みできて当たり前と思っていた。

 始めは冗談でしているのかと思ったほどである。 そのことを、ただ、チュンがお上品であるという程度にしか考えていなかった。

 かっては、食べるのが遅いチュンを見て、『お上品ぶってからに ・・・ 』 などと文句を付けていたのである。


 それが最近のチュンの食べ方を見ていると、"飲み込めない何か問題がある" としか思えないようになった。 もしかして、咽喉部に腫れ物などがあって、飲み込めないのかも知れないと思うようになって心配しているのである。








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