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賢者のことば 連載16

賢者のことば


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2005/10/14
 フィリッピンからの賢者のことば (16) 戻る次へ




 ・・・ 人間だからこそ ・・・

ルックスが良いかどうかは 考えない方がよい
  外見は 人を欺くこともできるから

お金持ちかどうかも 考えない方がよい
  富は いつしか 色あせるかも知れないから

あなたが 微笑みを覚えるような人 それが一番だ
  落ち込むときでも 明るくなれる
   微笑みだけが持つ 魔法の力で





 お年頃になれば、才色兼備、しかも、お金持ち、という伴侶を求めるのは、当たり前のことである。 生きとし生けるもの、そのようにして努めてきたことであろう。

 人間以外の生きものなら、この賢者の言葉は、全くばかばかしいことで、何を言っているのかさえ、分からないことに違いない。 まさに、論外である。 ルックスを追えばよいし、強いものを追えばよいし、食べものを良く獲ってくるかどうかを判断基準にしても良い。
 

 この言葉を読んで、なるほどな、と思うとすれば、まさしく、あなたは人間であって、他の生きものにはない、複雑怪奇に発達した頭脳の持ち主である。 そして、そのことに気付かれるのは、それほど難しいことではないでしょう。

 かといって、何を言っているのか分からない、全くばかばかしい、と思われる方がいるとしたら、どうしたらいいのか、私には判断が難しい問題である。 病院に行かれた方が良いと思う。




§§§ 何故、ルックスは考えない方が良いのか
 先に述べたとおり、ルックスを追い求める気持ちは、当たり前のことである。 ここまでは、どの動物も同じである。

 ところで、自分のルックスが良いとか、悪いとか、自分で判断できるのは、人間だけではなかろうか。 それより、他の動物は、自分の姿を認識できるものだろうか。
 

 聞くところによると、チンパンジーは、鏡に写っている姿が自分であると、認識できるらしい。 それでも、鏡を使ってまで、自分が美しいか否か、知ろうとはしないであろう。 それを知っても、何の役にも立たないからだ。 自分の美貌を良いことに、結婚サギまがいのことをするなど、思いもつかないことであろう。

 ところが人間だけが、良からぬことを企てたりする悪知恵を、進化の過程で獲得した。 根生悪とか、裏切りとか、これら人間特有の悪知恵を拾い上げればきりがない。 ルックスが良くても、根生悪ということも十分に考えられる。 悪いことに、これらを見抜くことが中々難しい。
 

 そして、また、その良からぬ悪知恵を、自分も持っていることに気付いている。 だからこそ、その手にはかからないと、用心もするだろう。 また、裏をかくこともできるし、裏の裏をかかれることもあるだろう。 ルックスを追うとは、この不安と期待の複雑な感情の深みに、身を投じるということである。

 人間のような、悪知恵というか、余計な知恵を持っていない動物は、「ルックスは良いが、性悪かも知れない」 というような心配事は無い。 安心して、ルックスを追うことができるというものだ。


 反対に、人間は、そのような、他の動物にはない、余分とも言える知恵を持っていたからこそ、「ルックスは悪いが、良い人かも知れない」 ということに思い至ることができたりする。 選択肢が増えたことになる。 ルックスが悪くても生き残るチャンスが増えた、とも言えるかも知れない。 そういう人たちにとっては、人間に生まれたことは、感謝すべきことかも知れない。

 この賢者の言葉は、このように、無理をしてまで、ルックスを追うことはない、他にも選択肢があるだろう、と言いたいのであろう。 要するに、感謝する立場の人であることは、間違いなし。





§§§ 何故、お金持ちかどうか、考えない方が良いのか
 これとて、ルックスの件と同じで、人間でなくて、他の動物なら、悪かろう筈がない。 およそ動物の世界で、獲物も獲れないようでは、嫁のきてはなかろうと思う。 それなのに、何故に、お金持ちかどうかは、気にかけなくても良いのか不思議に思うかも知れない。

 ここで、思い起こして欲しいのは、皆さん、大金持ちのことを追い求めているに違いない、ということである。 玉の輿とか、逆玉という言葉もある。 生きていくための必要最小限の衣食住では満足しない。 欲には切りがない。


 それに、「人間はパンのみに生きるにあらず」 という言葉もある。 これがまた、他の動物にはない、進化の過程で獲得した、余計というか、因果な知恵かも知れない。

 「パンが命」 と公言すると、馬鹿にされること、間違いなし、であろう。 ところが、私のチュンは、「パンが命」 と公言して、はばからない。 実に、自然体である。


 だいたい、お金なるものは、人間だけの約束事である。 約束事であるから、それだけに、非常に危なっかしい。 悪知恵の立つ人間の約束事だ、いつ、水泡に帰すとも知れないものである。 そのことにも気付かないでいるのが普通だろう。

 また、ルックスの件と同じように、、「お金持ちであることは良いが、性悪かも知れない」 というような図式も成り立つだろう。 だから、それだけで判断するのは、あとで後悔することになりかねない。


 この賢者の言葉は、それを命と思わないで、危なっかしいものだと気付くことも必要でしょう、だから、他の選択肢もあるでしょう、と言っているのではなかろうか。


  §§§ 何故、微笑を覚える人が一番なのか
 幸せだから微笑む。 幸せを越える喜びはない。 それだけだ。






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