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賢者のことば 連載22

賢者のことば


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2007/08/21
 フィリッピンからの賢者のことば (22) 戻る次へ




 純真(うぶ)な人へ ・・・ 恋の手ほどき ・・・

その人のことが 本当に恋しいのなら つまずく程度ではだめ
 起き上がれないほどに 身を投げ出すの

迷ってはだめ 信念を持つことよ でも、しつこすぎてはだめ
 そして、分ち合うの 何でも   ズルは駄目よ けっして

  理解することよ相手を 要求するのではなくて

傷つくことを恐れないで 身を投げ出したんだから
 それでも 痛みは抱え込まないで いつまでも 傷ついたまま






 恋は成就することも、また、成就しないこともある。 往々にして、成就しないことの方が多いように思われるのはどうしてだろうか。

 誰でも良いというものではないからである。 そして、うぶな頃の恋心と言えば、初恋をおいて他にあるまい。 初恋は幼稚園の頃だった、というような話をよく聞くが、それとは別の話である。




 もし、その初恋の頃に、この賢者の言葉に出会っていたとしたら、その恋は成就したであろうか。 私の場合は、確信を持って、"否" と答えるしかない。

 うぶだから、経験が浅いからというものではなく、性質 (たち) の問題であろうと思うからである。 今の私は、うぶでもなければ、経験も浅からぬものと思っているのだが、このまま当時の頃にタイムスリップしたとしよう。

 そして、ああして置けばよかった、こうして置けばよかったと、今思うことを、実際に実行できるものとする。 それで上手くことが運ぶだろうか。 答えは限りなく "否" であろう。




 映画 『バック・トゥ・ザ・フューチャー Back to the Future』 にあったように、タイムマシンで未来からやって来て、競馬の結果を知っているのなら、勝ち馬を当てて大金持ちになれることは理解できる。

 ところが、私の初恋の場合には当てはまらない。 初恋が成就するところまで、事細かに手順を追って、この目で見た訳ではないからである。 見届けたのは、片思いに終わるところだけである。

 せっかくタイムマシンでやって来たのであるから、考えていたことを実行に移すことにしよう。 かって言えなかったことを言ったとする。

 その一言に対する彼女のリアクションが、『うれしいわ。 私もよ』 というのであれば、初恋は成就したのも同然である。 しかし、それでは話が出来すぎだろう。

 かといって、『アホちゃうか。 なに考えとんねん』 というのでは、想像するだけでも自分が可哀そうであるし、そのようなことを言う人も少ないであろう。

 先ずは、当時の社会的情勢も考慮して、『お友達として・・・』 ということに落ち着くものと仮定しよう。 いずれにしろ、彼女のリアクションは初めて経験することであろう。 そして、ここから先は、未来から来たといえども、裸の自分がいるだけである。



 今の私が冷静に考えたとしても、自立していない自分に何ができる? とか、この初恋を前にしても、優柔不断な性質は矯正のしようがない。



 ならば、この賢者の言葉は何の役にも立たないのかと言えば、そうでもない。 恋が成就するかしないかは、出逢いの問題である。 そして、出逢いのチャンスは、それほどあるものではない。 それこそ、誰でも良いというものではないからである。

 恋が成就するかどうかは分からない。 しかし、傷つくかもしれないが、身を投げ出さなければ、恋は掴めないというのは本当だろう。 また、身を投げ出せばつかめるかというと、そうでもないというしかない。


 そして、恋に破れ、傷つき倒れることの方が多いのは、今もむかしも変わらない。 だからこそ、この賢者の言葉があるような気がしてならない。 早く立ち上がって歩きだして欲しいと願っているのである。 成すべき事はなしたのであるから。






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