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海外ドライブ 連載17

海外ドライブ


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2005/12/16
 海外ドライブ旅行のすすめ (17) 戻る次へ


 3.4 レンタカー事情
 レンタカー会社は色々あるようではあるが、私は、ハーツ Hertz と エイビス AVIS しか利用したことがない。 ご当地のレンタカー会社を利用すれば、安くなるのかどうかも知らない。 だから、それ以外のレンタカー会社を利用しようと考えている方には、何の足しにもならないから、ここは、読み飛ばしていただきたい。

 また、私は、エコノミークラスの車というのか、最も安いランクの車しか借りたことがない。 だから、ベンツなどの高級車をご希望の方についても同様である。

 また、また、私は、旅行会社を通して、レンタカーを予約した。 だから、インターネット予約の経験がないので、これについても同様である。




 3.4.1 ハーツを選ぶか、エイビスを選ぶか
 何でも、そうであるが、選択の問題は好みによる。 私が好きだからといって、誰にでも通用するものではない。 といって、今のところ、私は、レンタカー会社で、どちらが好きでも嫌いでもない。


(1) 料金体系は変わるもの
 レンタル料金は、年に数回、改定されているようである。 だから、古い資料では、比較するのに役に立たない。 お互いに競争しているものだから、サービスの状況も内容も変わる。 旅行の度に、見直すのがよい。 それと、レンタカーを利用する日が、現状の料金体系でよいものか、それとも、近々、改定されるものなのか、確認しておく必要がある。 大体、年度初めの4月には、大きく改定されるものだろう。

 利用料金を比較するのであれば、同じ土俵でしなければならない。 片や最新データ、片や旧データでは、比較にならない。 私の場合、それが、4月中旬に出発というのに、4月に入っても、なかなか最新版が出てこなくて、やきもきしたことがあった。 互いに、相手の腹でも窺っているのであろうか。 また、当然のことながら、インターネットの情報といえども同じであった。




(2) 旅の形で料金は変わるもの
 ドライブの旅も、日帰り旅行に限定したり、全日程を車にしたりと、様々であろう。 レンタカー会社は総じて、長期間のレンタルが有利であるが、それでも、数日の利用を優遇したり、一週間の利用を優遇したりと、特色あるサービスを打ち出しているものだ。 だから、旅の形態にあったレンタカー会社を選ぶのがよい。






 3.4.2 どこの国で借りるか

(1) 国によって料金は変わるもの
 ハーツでもエイビスでも、レンタル料金表を見れば分かるが、借りる国によって、料金が異なる。 フランスは安いが、スイスは高い、といった具合である。 数カ国を回る旅であれば、どの国で車を借りるのが得策か、考えた方がよい。 例え、一カ国だけの旅であっても、車は隣の国で借りた方が安い場合がある。

 スイスを回るのであれば、フランスで借りた方が安い。 国境が接しているから、車の借り出し out には、色々と候補地はあるものである。 私は、オーストリアを回るのに、ミュンヘンで車を借りて、ウィーンで返したことがある。 この場合、借りた所のミュンヘンで返せば、乗り捨て料が発生しないので、さらに、安上がりであるが、日程の都合がつかなかった。




(2) 乗り捨て料の確認
 inout の営業所が異なる場合、乗り捨て (ワンウェイ・レンタル) 料がかかる。 そして、それは、out した国の料金体系で計算される。 また、out する国によって、料金は大いに異なるから、注意して計算しよう。

 前項で、検討に加えなければならないのが、この乗り捨て料である。 乗り捨て料が発生しない借り方をするのが一番であるが、これはこれで、非常に便利なシステムである。




 3.4.3 どこの営業所で借りるか
 レンタカー会社が決まれば、何処の営業所で借りようが、返そうが、料金は同じと思うだろうが、そうではない。 空港や駅 (特に大きな、中央駅) にある営業所で in/out すれば、空港使用税や施設使用税を取られることがある。 これらは、営業所の立地条件で異なるものであるから、金額やパーセンテージも同じではない。 あらかじめ確認しておくのがよい。

 この営業所選びが、どちらかというと、重要であり、また、難しいものである。 それぞれに、特徴があり、これが一番というものではない。 旅行のスタイルによって、選ぶべき問題かも知れない。


§1 空港にある営業所 (追加料金あり)
 空港にある営業所で借りれば、荷物の持ち運びの苦労をしなくて済む。 地下鉄やら電車やらを乗り継いで、ホテルに辿りつくことを思えば、まさに天国である。 また、in/out の時の出入りが、比較的、容易である。 道に迷うことも少ない。




§§1 (空港にある営業所) 出るとき out
 車の運転が出来ても、行く道が分からなければ、何の意味もない。 海外ドライブの問題は、左ハンドル・右側通行とかの技術上のことではなく、最終的には、土地勘とか、方向感覚とか、地図を読む力とか、それらをフル活用して、とにかく目的地にたどり着けるかどうかに尽きる。

 空港にある営業所で車を借りた場合、他の営業所で借りるより、この目的地に辿りつけるという確率が最も高いものでしょう。 関空でも、大阪空港でも、道なりに進むだけで阪神高速に乗ることが出来るようになっている。 あとは、道路標識に従って進めば、名神にも乗れるでしょう。 名神に乗れば、八幡市のインターも発見できるでしょう。

 他の営業所の場合、こうは上手くいかない。 例えば、梅田の営業所で車を借りたとする。 そして、名神にを使って、八幡市へ行きたいとする。 もし、初めての方であれば、梅田から名神に乗るだけでも大変であろことは、容易に想像がつくでしょう。 最近は、カーナビがあるから大丈夫と言われるかも知れないが、それは前提から外してもらいたい。 海外で、しかも最低クラスの車種に、カーナビがついている訳がない。


 空港で out する場合、問題があるとすれば、道路標識には、必ずしも、これから行く目的地が表記されているとは限らないことだ。 関空辺りでは、八幡市のことなど標識には出ていないであろう。 だから、八幡市が京都方面にあることを知っていなければ、それこそ、えれーことになる。 阪神高や名神は、Uターンが出来ない。 目指す目的地が、どの方面の都市に向かう途中にあるのか、また、通過する都市のことも、あらかじめ知っている必要がある。

 私が、初めて海外ドライブを経験したのが、英国のマンチェスター空港からである。 大阪のような小さな空港だ。 車は日本と同じ、右ハンドル・左側通行だし、慣れたものだ。 ろくに考えもせず、駐車場を出た。 駐車場を出て、少し、慣らし運転をして、喫茶店にでも入って、地図でも確かめようと思っていたのである。

 ところが、駐車場を出るなり、いきなり高速道路の導入路である。 選択の余地はない。 乗るしかない。 乗っては見たが、道路標識を見ても、知らない地名が出ているだけであった。 進むべき道の選択のしようがなかった。 とりあえず、次のランプで降りて、立て直しを図らなければならなかった。 しょっぱなから、つまづいた。


 もう一つ、空港の営業所で問題があるとすれば、その営業所の事前調査が出来ないということである。 飛行機で到着して、いきなり、レンタカーで出発することになる。 営業所の周辺がどのようになっているのか、さっぱり分からないまま、いきならり高速道路に入らなければならない。 旅慣れてくれば、もちろん問題はないし、便利なものであるが、初めての場合、私のようなヘマをしかねない。

 一方、町中の営業所で借りる場合、先ず、ホテルに急ぎ、二三日観光した後に、ドライブ旅行に出発するのが普通でしょう。 その間、営業所の在り処や道路事情やルート情報を調べたりすることができる。 また、街を見ていると、その国の運転マナーというか、ドライバー気質なども伝わってくるものである。 そして、心構えも出来てくる。





§§2 (空港にある営業所) 入るとき in
 空港の営業所であれば、車を返しに行く場合も便利である。 道に迷うことが少ない。 たとえ迷っても、人にも聞きやすい。 だいたい、空港への案内が出ていない道路標識はないでしょう。 だから、余程の方向音痴か、字が読めない人か、でなければ、迷わず空港には到着できるでしょう。

 空港以外の営業所を利用する場合、特に、乗り捨ての場合、知らない町の営業所のことだ、そう簡単には辿りつけないものである。 決められた時間までに車を返さなければならないから、営業所探しに時間がかかると、要らぬ心配をしなければならない。 私の場合は、必ず、当地に宿泊して、事前調査をするようにしている。 手間ひまがかかるので、追加料金どころではない。


 空港の営業所で問題があるとすれば、この事前調査が出来ないことだろうか。 わざわざ、事前調査に来るようでは、空港にした意味がない。 だから、空港に到着は出来ても、何処に営業所があるか、探すのは同じだ。 小さな空港であれば問題ないが、大きな空港であれば、結構、これが難しい。 というのは、レンタカーエリアを示す標識に沿って進むも、次の案内板を見落とすことがあるものだ。 そのまま、出口に進めば、また、高速道路に乗ってしまう危険性がある。

 ゆっくり、見落とさないように確認しながら走ればよいが、そうも行かない。 何しろ空港は、急ぎの車もおる。 後に、金魚の糞状態に並ばれると、気の弱い私は、余計に、見えるものも見えなくなるというものだ。 ぐるぐる周りができればよいが、下手をすれば、前述のように、何処へいくやも知らん。




§2 中央駅にある営業所 (追加料金あり)
  飛行機から降りて直ぐのドライブ旅行も、旅のスタイルであるならば、大都会のホテルに泊まって、当地を観光したあと、ドライブ旅行に出発するのも、旅のスタイルであろう。 ローマとかロンドンとか、およそ我々が知っている大都市では、それこそ、便利な所にあるホテルに泊まって、車は使わないで観光するのがよい。

 車を使っての観光はおすすめできないというか、適していない。 渋滞はするし、一方通行も多くて、道に迷うし、駐車場探しも難しい。 要するに、ろくなことがない。 公共交通機関の利用や歩くのが一番である。 そして、観光が終われば、速やかに立ち去るのがよい。




§§1 (中央駅にある営業所) 出るとき out
 中央駅の営業所へ車を借りに行く場合、空港の場合と同じように、見つけやすいものだ。 中央駅が何処にあるかは、ホテルに来る途中で、見たはずである。 いや、空港からタクシーで来たから、知らないと言われる方もいるかも知れない。 それなら、市内観光をしている時にでも、中央駅に来たか、見た筈である。 それでも知らないと言い張るのなら、何しに来たのかと言い返したくなるが、大人気ないので、中央駅も見ておいて損はない、と付加えさせていただくことにする。

 こうして、中央駅の場所が事前に把握できているのであれば、例え、レンタカー営業所の場所が分からなくても、駅員に聞けば、すぐ、教えてくれるでしょう。 また、ホテルにも近いことだろう。 だから、out のためだけならば、事前調査も不要かも知れない。 これが追加料金の値打ちというものだ。

 中央駅の営業所での問題は、市内観光も終わったことだし、大都会を速やかに立ち去りたいのだが、これが、また、難しいということである。 だいたい、どこでも、大都会の駅周辺は、渋滞やら一方通行やら、それに、パリの凱旋門のロータリーのように、気の弱いものが入り込めば、二三時間は出てこれないというものまで、いろいろと難行苦行が予想されることである。


 空港で車を借りた人が、この大都会に観光目的で来るのであれば、車は無用の長物と化すであろう。 空港で車を借りた場合、大都会よりも、先に、地方を巡り回って、最後に訪れるのが良いのではないか。 但し、この場合、時間的な余裕を持って訪れる必要がある。 それは、次項に記したような失敗を、しないとも限らないからである。




§§2 (中央駅にある営業所) 入るとき in
 中央駅も空港と同様に、案内が出ていない道路標識はないでしょう。 だから、初めて訪れるにしても、普通の人なら、迷わずに、駅には到着できる筈である。 日本の道路標識と違って、市内中心部へは、実に上手く誘導してくれる。 きっと、驚かれるに違いない。 安心感がるというものだ。

 ところが、問題もある。 いくら営業所の場所を熟知していて、一方通行にも、パリの凱旋門のロータリーにも、何ら、支障をきたさないほどの技量の持ち主であるとしても、交通渋滞には勝てないでしょう。 パトカーではないのだから、交通渋滞を抜け出す術はない筈だ。 時間帯によっては、なかなか中央駅に辿り着けないことがある。

 in の期限の時間が迫っているというのに、この交通渋滞に巻き込まれると心臓に悪い。 現に、ロンドンを甘く見て、事情を知らないまま、営業所に向かった人がいた。 案の定、大渋滞に巻き込まれ、やっと、営業所に着いたときには閉まっていたという話がある。 レンタカーでの時間オーバーは高くついたろう。 断っておくが、私のことではない。


 私の場合、やっとのことでホテルについたが、車は、その日に返すことになっていた。 どこまで車を持っていけばよいのか、また、この交通渋滞のことで、約束の時間に遅れるかも知れないと、わざわざ、営業所まで出向いて、相談しに行った。 すると、レンタカーの一日というのは、24時間のことで、翌朝の10時までに返却すればよいと教えてくれた。 契約書にある out の時間が10時であった。 前述の話は、私ではないが、まあ、良く似たものである。




§3 空港や中央駅ではない営業所 (追加料金なし)
 私は、意識して、わざわざ、空港や中央駅ではない営業所を利用するようにしている。 だからといって、追加料金が発生するから、それをケチる意味で、選んでいるのではない。 と弁解はするが、信用する人はいまい。

 初体験のロンドンで、都会では、レンタカーは無用の長物と知った。 わざわざ追加料金まで払って利用するほどの価値があるとも思えなかったからである。 大都会は、公共交通機関が発達しているものだ。 地下鉄を利用して、一つや二つ先の町にするのは、屁でもない。


 レンタカー会社に電話して、その国の営業所一覧表を送ってもらうのが常である。 インターネットに出ているといわれるが、送ってもらう。 数十ページになるものである。 何といわれても、資料は印刷物に限る。 画面では落ち着かないし、だいいち、寝ながら検討もできないだろう。

 どの営業所を利用するか検討するのも楽しいものである。 ホテルからの交通の利便性が検討課題である。 それから、かねて計画中のドライブのルート上からも、便利なところが良いのは当然のことであろう。 そして、これらの課題は、ほぼかなえられるに違いない。 それ程、レンタカー会社の営業所は充実しているというか、多くさんある。

 余談ではあるが、「多くさん」 と書いたが、これは正しくないのかも知れない。 電子辞書でも、広辞苑でも、「沢山」 と入力変換されるからである。 それでも、私は 「多くさん」 と書くことにしている。 沢山では、数多くあることが連想できないからである。 ともすれば、沢庵和尚の弟のことかも知れないと、連想してしまう。 どなたか、「沢山」 の語源をご存知の方には、ご講釈をお願いしたいものと願っている。





§§1 (空港や中央駅ではない営業所) 出るとき out
 追加料金がいらないことは当然として、さらに、予想通り、渋滞に巻き込まれることもなく、且つ、安全で快適な旅立ちが出来たことは、正解といってよい。 ところが、良いこと尽くめではない。


§§§ 営業所探し
 有名ではない小さな町の営業所のことである。 簡単には見つからないし、営業所探しのための、時間的ロスが発生する。 そればかりか、小さな営業所故の、思いがけないトラブルにも、多々見舞われた。 休暇が取り難い、現役の方々には、たかが追加料金のためにすることではないかも知れない。

 《参考》 サン・ジェルマン・アン・レーでの営業所探し




§§§ 営業所が見つからない
 ミュンヘン Munchen からウィーン Wien までドライブ旅行をしたときの話である。 ミュンヘンには、立派な中央駅がある。 それでも、わざわざ、そこから地下鉄で、2駅ほど先の小さな町の営業所に out の予約を入れていたのは、前述の理由のとおりである。

 ミュンヘンを訪れるのは、2回目である。 食べ損なったミュンヘナーの話を同僚にすると、あれを食べなければ、ミュンヘンへ行った値打ちがないという。 彼は、駐在経験者であった。 それが、ずっと気になっていた。 ミュンヘンを選んだのは、オーストリアのレンタカー料金が高ったからではあるが、ミュンヘナーのことも、少しはあったかも知れない。

 小雨が降る中、営業所探しに出かけたが、それらしき場所にはなかった。 営業所の住所から、ネットで地図を印刷して持って来ているから、見つからないわけがない。 大通りに面したところである。 その住所に該当するところには、大きくて、立派なジャガーの展示場兼修理工場兼営業所があった。 その近くのレストランで、ハーツの営業所を聞くが知らないという。 中央駅にはあるというが、それは分かっている。 もう何回も経験していることであるが、地元の住人が、レンタカーの営業所のことなど、知っている方がおかしい。




§§§ 営業所はジャガーのオフィスの中
 もう聞くところはジャガーしかない。 丁度、修理工の人であろうか、歩いてきたので尋ねてみたら、オフィスの中にあるという。 看板も何も、見つからなかったというと、黙って、裏通りに面した出入り口を指差した。 なるほど、そこには、Hertz の小さい標識が貼ってあった。  表通りにはオフィスの入り口が、裏通りには、修理工場の入り口があるようだ。 見つからなかった分けである。 ジャガーの表看板の横に、ハーツを張り出すことが許可されなかったのであろうか。

 オフィスに入って、ハーツはどこかと尋ねると、部屋の隅にパソコンが一台置いてる一角を指差して、あそこであると教えてくれた。 担当者はいなかった。 どうしたものかと思案していたら、いかにも英国人という風の、背広姿のマネージャが現れた。 私がジャガーとは何のかかわりもないことぐらいは、直ぐに分かったであろう。 とりあえず、ここの担当者は、どうしたのかと聞いて見たが知らないという。 それはそうだろう。 間借りしている者のことまで世話はできない。

 困った顔をしていたら、女子事務員を呼んで、中央駅のハーツ営業所に電話をするように指示を出してくれた。 電話に出てみると、担当者は休みだからといって、こちらに来るように言われた。




§§§ 中央駅の営業所にて
 小雨降る中、ジャガーのオフィスを辞し、再び、地下鉄に乗り、中央駅に戻ってきた。 ここの営業所は立派なものである。 窓口も数箇所あるようだった。 カウンタにいた女性の担当者に、私は、雨の中、明日の out について、予約の確認に行ったことなど、いきさつを話し、不満をぶちまけた。 看板が表通りにないことや、担当者が休みなら、代わりのものがいるだろう、人を呼びつけておいて、一言の謝りの言葉もない、とわめいていたら、まあ、まあ、と手で制止して、私の話も聞けという。

 今の怒りを、そのまま、明日の担当者にぶちまけろ、そうすると、ワンランク上の車を貸してくれるだろうという。 普通、窓口担当者は、会社を代表して、人と対面するものであろう。 誰の、ヘマでも、身代わりになって、謝りもし、労いの言葉も掛けるものだろう。 それがないから、私は怒っているのである。 そのことが分かっていないようである。

 その後も色々と経験したが、概して、どの国の人間も同じであった。 他人のヘマに対しては、決して身代わりになって謝らない。 他人のヘマなら未だしも、自分の過ちも、まず、素直に認めない。 仕方がない、明日は、大丈夫だろうねと、念を押したら、問題ないというから引き揚げた。




§§§ ところが
 当日の朝は、雨は降ってはいなかったが、大きな荷物を引いて、地下鉄に乗り、また、ジャガーのオフィスに向かった。 ところが、デスクには、担当者が休みのため、中央駅まで着て欲しい、との張り紙があった。 何という不始末か。 こんどは、家内まで怒り出した。

 中央駅に戻ってくると、昨日の担当者はいなくて、男性の担当者が座っていた。 また、一から、話さなければならない。 どういうことだと詰問した。 私の怒りを込めた言葉も黙って聴いているだけである。 そして、黙ったまま、車の鍵をカウンタの上に差し出したものだから、家内が、ノー! と大きな声を出した。 単に、事務的に手続きに入るものと感じたからであろう。 私は、もう一度、説明を求めた。 昨日の女性の担当者から、何も伝言はなかったのか。

 担当者は、黙って、電話を掛けて、何やら相談しているようだった。 しばらくして、今度は、あなたはウィーンまで行かれることになっているが、この車はウィーンから来ているので、これを使ってくれれば、乗り捨て料は不要になるが、いかがなものかと言って、新しい車の鍵を出しながら聞いてきた。 そして、あなたにとっても、私達にとっても都合が良いが、と言って、先ほど出していた鍵を引っ込めた。 見ると、その鍵には、ベンツのマークが付いていた。

 このときになって、初めて状況がつかめた。 この担当者は、いきさつを全て承知であった。 その解決策として、いくつかの駒を用意していたのであろう。 その解決策というのが、昨日の女性担当者が言っていたことであった。 私の言い分を彼は、黙って聞き流した。 謝らない姿勢は、国民性の違いだろう。 ワシの責任ではないと主張したいところを、女性担当者のことを思ってか、彼は黙って耐えた。 もう、議論を続けても無駄であろう、私は了解した。

 その後の彼の仕事ぶりは素晴らしかった。 全てに手際が良い。 そして、冷静であった。 余程のベテランに違いない。




§§§ 借りた車は、シトロエンのエアコン付き
 兎にも角にも、借りた車が、ワンランク上のもので、エアコンが付いていたから助かった。 更に、乗り捨て料は不要である。 オーストリアの気候であれば、普通、エアコンは不要である。 もちろん、当初予定のエコノーミー車には付いていない。 ところが、この夏は、暑かったから、ひょんなことで、願ってもない結果となった。 私の機嫌も直ろうというものである。




§§2 (空港や中央駅ではない営業所) 入るとき in
 空港や中央駅のものと違って、追加料金がいらないことはいい。 ただ、気をつけなければならないのは、あくまで時間的な余裕を持つ必要がある。 特に 「乗り捨て」 の場合がそうである。 何しろ、初めて訪れるところの営業所へ車を返しにいく訳であるから、営業所探しが難しいことは、前述の out のときと同様だ。

 むしろ、それより難しいかも知れない。 というのは、車に乗ったまま探し回らなければならないから、人に尋ねることも容易ではない。 うろうろ走り回っていたら、方向感覚も距離感も狂ってくるものだ。 それに、空港や中央駅であれば、聞けば教えてくれるが、何丁目何番地と言って分かる人は少ないものである。

 それに、時間的に余裕があっても、安心は出来ない。 営業所が大都会にある場合、いろいろと思わぬ緊張を強いられることがあるも。




§§§ バーデン Baden にて 2001/05/08
 このときは、ウィーンで車を返却することになっていた。 ウィーンは、オーストリアの首都であるから、そこらの田舎町ではない。 本来なら大都会は避けて通りたい。 車で入ると、いつも、ろくなことがなかった。 しかし、そこで 3泊するほどの時間的な余裕があったから、後で慌てるより、先に苦労してでも、ウィーンに入って、状況を知っておこうと思っていた。

 だから、昨日、泊まった宿の主に、今日はバーデンに立ち寄って、その足でウィーンに行くつもりであると言うと、バーデンは中々いい所だと言ってくれた。 温泉もあるし、また、カジノもあるという。 私たちは、カジノはどうでもいいのだが、その主が良い所と言ったのは、どうも、そのカジノのことらしい。

 ウィーンのことは、コメントなしであった。 あんな大都会のどこがいいんだろう、と思っていたに違いない。 ロンドンの時もそうであった。 コッツウォルズ Cotswolds の宿の主は、ロンドンは行かない方が良い、とさえ言っていた。

 いづれにしても、バーデンは高速道路の近くで、車でのアクセスもし易く、何よりウィーンの郊外である。 ここから一時間ほどの距離だから、時間に不足はない。 そして、このバーデンに立ち寄ったのが幸運であった。 ウィーンへ入る足掛かりが出来たのである。 それをお伝えしたい。

   バーデンには、大きな公園があり、天気もよく気持ちが良い。 後で分かったことだが、ベートーヴェンは、ここで、交響曲第九を作曲したいう。 その彼の家があったらしいのだが気がつかなかった。

 また、私たちと同年輩であろう 2人連れに、公園の中ですれ違ったから、挨拶したことがあった。 すると、一時間ほど経って、また、出会った。 ベンチで休んでいた。 午後からの絵画展の時間待ちをしているとのこと。 仕事だと言うから、画商かも知れない。

 その様な、裕福そうな雰囲気のある人であった。 何処から来た、何処へ行くのか、と言う話になって、聞くと、ウィーンから来たという。 渡りに船である。 ウィーンへの入り方を教えて貰った。 どの高速道路を使えばよいか、駐車場はどうか、聞くことが出来た次第で、それが非常に役に立った。




§§§ ウィーンへの入り方
 市内見物には、国立オペラ座の地下駐車場がいいだろうし、また、バーデンからマイヤーリンクへの道も景勝ラインで、途中、ハイリゲンクロイツの修道院も見学すると良いと、下記の道順をメモ書きしてくれた。 私は、マイヤーリンクもハイリゲンクロイツも、トレース済みで承知していたから、思惑通りであった。



 ① マイヤーリンク Mayerling :
   バーデンから、ここまで景勝ラインが続く
 ② ハイリゲンクロイツ Heiligenkreuz  :
   ここにある、ウィーン最古と言う、修道院を見学するのが良い
 ③ 高速道路でウィーン方面へ Motorway Dir. Wien
 ④ 市中心部 Zentrum (City Center) の道路標識に従って、
   高速道路を下りる
 ⑤ 市道1 Triester Strasse を道なりに進むと、市道2 になる
 ⑥ 市道2 Wiedner Hauptstr. を進むと、リングとの交差点が見える
 ⑦ リング(環状道路) ring を越えたところに、
   国立オペラ座と地下駐車場が見える
 ⑧ 国立オペラ座 Staats-Oper :
   この地下駐車場に入る


 地図を見ながら教えてくれたので、よく分かったし、市街地に入ると、ほぼ直線的に、真っ直ぐ、北上するだけであるから、迷わずに行けるという。 そして、「ウィーンは、日本人がやたら多いぞ」 と、わざわざ、後から呼び止めて、付加えた。




§§§ 電車の軌道を走る
 前項 ③ の高速道路に乗るのも、City Center 方面に下りて、④ の Triester Strasse 市道も順調に辿ることが出来た。 前後左右を車に挟まれての運転であるから、流れに乗らなければ、むしろ危険である。

 事前に教えて貰って、地図上でのトレースが出来ていたからこそ、走れたと言うべきものである。

 Triester Strasse を道なりに折れて、Wiedner Hauptstr. をしばらく進むと、道幅が次第に狭くなり、市電が通る道に変わった。 正面に見えるのは市電の複線の軌道があるだけで、このまま進めば、軌道の上を走らなければならない。

 そのとき、信号が赤にかわり、停車することになったが、また、運が悪いことに、私が先頭になってしまった。 前にいた車は、軌道の上を走り去っていった。

 電車が来たらどう対処したらいいのであろうか、不安がよぎった。 避けようがないほど道幅は狭い。 また、状況からは、前にしか進めないし、後には車が並んで待っている。 断崖を前にして、背中を押されるようで、この時ほど、ドキドキしたことはなかった。

 とにかく、前にしか進むことが出来なかったから、前に進んだが、幸いにも電車は来なかった。 電車の往来を示す信号か何か、別にあるのかも知れないが、それを知らないものだから、余計に不安になると言うものだ。

 運良く、そこを通り過ぎると、また、道幅も広くなり、その向こうに、オペラ座と思しき建物と広場が正面に見えた。 これが環状道路との交差点であろうことが、その道幅の広さからも想像できた。 昔、城壁があったところを道路にしたという。 ウィンの中心部である。

 すぐに地下駐車場への入り口も確認できた。 ここに来て、初めて、無事にウィーンに到着したことが実感できた次第である。 これだから、大都会は嫌いである。



 《余談》
 思い返せば、私が初めて 「右折違反」 で捕まったのが、この市電の軌道を走ったときであった。 免許取立ての頃で、当時、大阪では市電が走っていた。 十字路の交差点で右折しようと、信号が変わるのを待っていたら、右折信号の表示が出た。

 普通、青色の矢印の筈が、橙色であった。 おかしいなと思ったが、それでも、前にいた電車が右折したものだから、その後をついていった。

 すると、曲がりきったところで、ピッ・ピッ・ピッ と笛の音が聞こえたと思ったら、前方で警官が手を振って、止まれの合図をしているのが見えた。 私のことであるのは直ぐに分かった。

 右折違反だと言う。 私は、右折信号が出ていたと言ったら、車から降ろされて、わざわざ、その交差点まで連れて行かれた。 道路標識を指差して、よく見ろという。 私は、よく見たつもりであるが、どれのことか分からなかった。 それでも、あまり逆らうと、ろくなことがないので、「はい」 と返事をした。

 すると、口を開けて息を吐き出せと言う。 何のことか分からなかったが、言われるとおりにしたら、私の息の匂いを嗅いでいた。 私が飲酒運転をしていると思ったらしい。

 当時、私は、紅顔の美少年であった上に、初めて、警官と相対する羽目になった訳であるから、緊張して、尚更のこと、その紅顔を強調する形になっていたのであろう。

 免許取立てのことであり、私の素直な応対もあってか、その警官は 「大阪の都心部は、右折禁止が多いから、気をつけるように」 という注意だけで、無罪放免となった。  橙色の右折信号は、市電専用であった。





§§§ 市電で環状線を2周
 ウィーンの市街の様子は、環状道路に沿って走る市電に乗って 1周すれば良く分かると聞いていたから、早速、乗ってみた。 それが、どうやら2周したようだ。

 車の運転で疲れたのか、私は眠ってしまっていた。 家内は、私に気遣って、起さなかったという。 また、ハーツ Hertz の営業所も見つけていたようだ。 お陰さまで、私は、ウィーンの市街の様子も何も、未だに分からないままである。





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