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海外ドライブ 連載14

海外ドライブ


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2005/08/28
 海外ドライブ旅行のすすめ (14) 戻る次へ


3.3. 旅行の行程計画

はじめに
 旅行目的にもよるが、もちろん、風まかせの、きままな旅も、決して悪いものではない。 むしろ、できればしてみたい。 ところが、申し訳ないが、そのような旅を期待されている方には、ここは何の参考にもならないので、読み飛ばしていただきたい。

 今のところ、私は、見たい、知りたい、行ってみたいところが、山ほどある。 そして、見たい、知りたいは、実際に、旅をしなくても、できなくはない。 私は、紀行書とか、TVでも、その類のものが好きである。 ところが、「行って・観たい」 という欲求は、旅をしなければ、満たされないことだろう。

 どこに行きたいのかも分からないで、計画も何もあったものではないが、私のように、行きたいところがいっぱいあって困る、という方が多いのではなかろうか。

 全部は観て回れないし、どうしたものかと、途方にくれることもあるだろう。 でも、これは、とても良いことであって、そういう方には、少しは、お役に立てるかも知れない。 申し訳ないが、何処に行きたいかも分からない人には、何の参考にもならないので、読み飛ばしていただきたい。




3.3.1. 何処に行くか
 何処に行くか、ということは、数多の候補地の中から、行けるところへ行くという、選択の問題である。 それには、費用の制約もあるだろうし、休暇日数の制約もあるだろうし、色々ある筈だ。 いづれにしても、選択の問題は、全部は無理、という原則の問題でもある。 ただ、これしか選択の余地がない、と思える選択肢を作り上げていく作業、とも言えるでしょうね。

 また、選択の問題に完璧はない。 私の経験からお話しすると、旅行から帰ってきてから、魅力的な観光地とかが、すぐ近くにあったのに、と思うことが、いくらでも出てきたものだ。 それでも、じゃぁ、どれを除外して、そこに行けばよかったのか、と自問自答すると、それができない。 除外してよいものなど、見つけることはできないに違いない。 旅とは、そんなものだ。




  (1)旅行期間について
 それでも、制約要素として、大きいものと思うのは、旅行期間ではないだろうか。 旅行期間は、個人的な制約の他に、前提事項である、格安航空券を利用する場合、15日間とか、35日間とか、初めから制約が付いている。

 そして、航空券に関連する旅行期間の制約は、せいぜい、二つか三つの選択肢があるだけである。 それに、個人的な休暇日数や費用のことを加味すれば、選択に迷う程の、選択肢は残っていないのではないか。




(2)地図の入手
 ドライブで地図は欠かせない。 ドライブマップは、現地で仕入れるとしても、計画段階でも、必要である。 地球の歩き方等のガイドブックの地図でもよいが、そこに掲載されている筈の、その国の観光局から入手できる。 日本にその観光局があれば、日本語版もある。 大きな全国版の地図が含まれているから、計画段階では、全体的な位置が分かってよい。 送料程度の料金で入手できるので、使わない手はない。




(3)候補地の列挙
 旅行は、旅立てば、終わったようなものだ。 一方、下調べは、いかようにも、納得するまで、延ばすことができる。 現地に行ったことがないのに、ガイドができるほどに精通していることが理想だ。 ここも行きたい、あそこにも行きたい、という状況こそ、悔いのない、いい旅行計画ができるというものである。 それだけ、下調べができていると言ってよい。

 「観たい・行きたい」 ところを列挙してみることをお勧めする。 そして、地図上に、印をつけると分かりやすい。




(4)移動手段を決める
 初めから、終わりまで、全行程をドライブ旅行するというのもよい。 レンタカーを、空港で借りて、空港で返す、から分かりやすい。 もちろん、乗り捨て可能なところが多いから、例えば、ローマの空港で 《out》 して、フランクフルトで 《in》 するというルートも可能だ。

 (注) 以降、車のチェックアウト (車庫出) のことを 《out》 そして、チェックイン (車庫入) を 《in》 と略記する。


 また、長距離の移動は、列車やバスを利用するという方法もある。 もちろん、飛行機を使っての長距離移動も、有効な手段であろう。 列車やバスの旅を経験できるし、何より、寝ていける。 要するに、いいところだけ、ドライブするというものである。

 とにかく、色々な移動手段があるが、最初は、全行程をドライブするのがいいかも知れない。

・レンタカーは、長く借りるほど安くなる。
 また、それだけ、運転技術も上がる。

・何より、荷物の運搬が楽である。
 ホテルには、必要最小限、持ち込めばよい。

・《out》 や 《in》 の繰り返し、さらに、列車やバスに乗り換えるのは、それなりに、余計な手間も時間もかかる。




(5)出発時季の選択
 この出発時季の選択肢が多くて、迷いが出るのは、贅沢な悩みかもしれない。 普通、カネとヒマの問題で、選択の余地がないものだ。 格安航空券は、時季により料金が倍ほども差がでるし、カネがあっても、ヒマが取れないことが多いからだ。

 ドライブ旅行の楽しみは、車でしかいけない所へ行くことだろう。 私は、特に、峠越えが好きである。 ところが、峠越えは、出発時季が問題になる。 時季によっては道路が閉鎖しているからだ。




§§§ 峠道は雪の壁

《雪の壁》 アンデルマットの峠道
Andermatt
アンデルマットの峠道 Photo by Kohyuh 1995/05/19

 アルプスの少女のマイエンフェルトから、最終訪問地であるチューリッヒに向かう道が、冬季閉鎖が解かれ、五月から使えることが分かった。 本当は、6月オープンの道を通りたかったが、仕方がない。









 天気も上々で、行く道々の景色も素晴らしかった。 峠では、電車と並走するところもあり、お互い手を振り合って、進んだものだった。 帰国後に気がついたが、それが有名な氷河特急であった。 追い越しては、また、電車が来るのを待つといった余裕があった。 ところが、相手は、トンネルとかを使うので、いつしか先を越されていたようだ。

 峠を登り続けていると、今までの素晴らしい景色とは、打って変わり、次第に曇り空になり、小雪も舞い出してきた。 レンタカーにはチェーンの装備はない。 両側には写真のような雪の壁が見え出したから、先行きが心配になってきた。 行き交う車も殆どない。 数台すれ違っただけだった。 時計も午後五時を過ぎていた。

   幸いにも、ここが峠の頂上だった。 後は下りであるが、これが半端じゃない。 急なカーブの連続で、もし時間が遅ければ、凍結も予想された。 やっとこさ、たどり着いた町がアンデルマットで、氷河特急の姿は、もうなかった。








§§§ 峠道は閉鎖中



峠道は閉鎖中
Gros-glockner
グロスグロックナー山岳道路閉鎖 Photo by Kohyuh 2001/05/07

 出発前から、最大のイベントの一つとして、楽しみにしていた、オーストリアのグロスグロックナー山岳道路は、雪崩のため、閉鎖されていた。









 オーストリアの最高峰 グロスグロックナー (3,797m) を含む、オーストリア・アルプスと、オーストリア最大のパステルツェ氷河 が展望できるというところである。 6月以降がよいかも知れない。







 

列車によるオーストリア・アルプス越え (トンネル)
Gros-glockner2
列車によるオーストリア・アルプス越え (トンネル)
Photo by Kohyuh 2001/05/07

 グロスグロックナー山岳道路のようなところでは、道路閉鎖は止むを得ないものである。

 迂回路を探していたら、どうも、20-30km 先に、トンネルに繋がる道路が地図で見つかった。









 列車も走っている。 そちらに向かって、どんどん進んでいくと、確かにトンネルがあった。 けれども、道はここで行き止まりであった。

 ところが、よく見ると、カーフェリーのように、係員が車を列車に誘導しているではないか。 助かった。 そのまま列に並ぶことにした。 車を貨車に載せると、一旦車から降りて、連結している、客車の方へ移動する。

 というか、皆さんがその様にしていたから、真似ただけで、特に係員から言われた分けでもない。 カーフェリーと同じシステムである。

 そして、そのトンネルは、ほんの十五分ほどで、大そうな割には、あっけなく、抜けてしまった。 これぐらいの時間であれば、そのまま車に残っていても大丈夫と思うが、どうだろう。

 cf. グロスグロックナー山岳道路 (1)
 cf. グロスグロックナー山岳道路 (2)
 cf. グロスグロックナー山岳道路 (3)









(6)ルートの想定
 ここまでは、迷うほどの選択肢は、なかったのではないか。 もし、ここまで辿りつけない方が居られるとしたら、慌てることはない、もう一年、先に延ばしたらよい。

 前述の(3)項の地図上にマークされた候補地を、いかにして巡るかという問題である。 先ずは、日本でのドライブ経験を生かして、決めるしかない。 長距離を稼ぐのなら、高速道路がよい。 ただ、その連続であれば、面白みは少なくなるが、かまわず、ルートを想定してみることだ。 それでも、(1)項で決めた、旅行期間内では、無理という候補地は、諦めるしかないでしょう。

 一日にどれだけ走れるかどうか、色々と説があるかも知れないが、それは、その人の説であって、気にすることはない。 自分の旅行スタイルである。 私の旅行日程を聞いて、外人さんに、お前は、まるで、ホッピングしているようだなと言われたことがある。 殆ど、連泊すること無しに、それこそ、ぴょんぴょん、飛び回っていたからだ。




(7)ルートの書き出し
 次に、ルートを想定したとおり、日程表に書き写して行くことだ。 例えば、縦軸に日付を、横軸に宿泊地を、それと、観るべき候補地やルートを補足事項にを記入していくとよい。 もちろん、飛行機の発着時間も記入する。 何も、航空券を予約することはない。 調べておくだけである。

 この、書き出し段階で、矛盾も発見されるのが普通である。 矛盾が分かれば、解決できたようなもので、直ちに修正するだけでよい。 ルートを変えたり、候補地をスキップしたりする。 大体、眺めていれば、その精度に気付く筈で、自信がつくまで、眺め続けることが必要でしょう。





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