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海外ドライブ 連載21

海外ドライブ


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2007/09/30
 海外ドライブ旅行のすすめ (21) 戻る次へ


 3.4.5 レンタカーの保険について
 海外旅行をするに当たっては保険のことを抜きにしては行けない。 車を使わなければ、交通被害者にはなっても、加害者になることは、先ずないであろう。

 交通被害者として保険を考える場合、これは様々な対応が考えられる。 被害者なんだから損害は相手持ちであると言って、保険を掛けない人がいても不思議ではない。 自分にあった選択が可能である。

 ところが、レンタカーを利用する場合は、人身事故の加害者になる可能性がある。 また、そうでなくても車は借り物であるから、どこかにぶつけて、傷つけたり、壊したりすると弁済する責務がある。 保険を掛けないわけには行かない。

 『いや、莫大な財産があって、どのような支払いでも対応可能だから保険を掛ける必要がない、という人も居るかもしれない』 と屁理屈を返す人がいるかも知れないが、それはない。

 レンタカー会社は、保険を掛けないでは、車は貸さないのである。 だいたい、そんな大金持ちがレンタカーを借りに来る分けがない。 車を買えば済むことである。 そんな話を、まともに聞くものは誰もいない。










§ 掛けられる保険は全て掛けておく "full insurance" がおすすめ?
 保険は "おまじない" である。 これをケチるとろくなことがない。 掛けられる保険は全て掛けておくべきと、旅行ガイドブックにも記されている。 実際、私もそのようにしてきた。

 ところが、前々回のスペイン旅行で訳の分からない経験をした。 一週間単位で日を変えて、3回車を借りだしたことがあった。 そして、どれも同じように "full insurance" と言っているのに、借り出した営業所によって、ある保険項目が、ある場合とない場合があったのである。

 一番最初に借りたところでは無かった項目に、次に借り出した営業所では、それにチェックが入っていたから気がついた。 担当者に、前の契約書を見せて、どういうことか、できればこれと同じにしてくれと頼んだら、可能かどうか調査しておくから明日電話をくれという。

 掛けられる保険は全て掛ける "full insurance" と申し出ているのであるから、本来、保険項目が増えることは歓迎の筈である。 しかし、訳の分からない、説明も出来ないような余計な保険に金は出したくないという、 "full insurance" の精神とは矛盾する気持ちが芽生えたのであった。

 明日といわれても、ここに居るわけがない。 それでも、ホテルから電話をしたら、今は外出していないという。 こうなると、余計に、要らぬ保険を掛けさせられたのではないかと気になったものだった。

 結局、乗り捨て先の営業所で、これは要らぬ保険であるから削除してくれと言って交渉したが、頑として聞き入れてはくれなかった。

 契約書が残っているから、どのような保険の内容であったのか調べようと思っていたのであるが、未だに手を付けていない。 また、機会を見つけて調査するつもりである。

 いずれにしても、このことを経験したからこそ、ただ無条件に、何も考えないで "full insurance" というべきではないと思うようになった。

 それでは、いかにも曖昧である。 日本ならともかく、海外で通じるわけがない。 何が必要で、何が不要か、明確に伝えるべきである。








§ "full insurance" と言うのはやめた
 今年 2007/05/16-06/16、ミュンヘン (ドイツ) を基点として、オーストリア、チェコ、ハンガリー、スロバキア、ポーランドを回るドライブ旅行 (レンタル期間は25日間) をした。 そして、これまで無条件に掛けていたオプションの一部の契約を止めることにしたのである。



 今回、エイビス AVIS のスーパーバリュー (ヨーロッパ) を利用したが、ハーツ Hertz でも商品名は違うがよく似たものである。

表1
円建てスーパーバリュー (ヨーロッパ)保険
  ○:この保険に含まれているもの
  *:オプション


車両関係   車両代
走行距離無制限
車両登録料
ガソリン満タン1回分 ×
装備品 ×
保険関係 強制保険 自動車損害賠償保険 (LI)
任意保険   自車両保険 (CDW)
搭乗者障害保険 (PAI) ×
車両盗難保険 (TP)
免責軽減制度 (Super CDW)  ×
オプション ヤングドライバー料金 ×
追加ドライバー料金
税金 空港使用料
国税・収税・消費税    



《オプションの採否選択とその理由》
① 満タン返しで契約 (何も言わなければこの契約になる) ・・・ 従来どおり

② スノーチェーン等使用なし (申し出なければ契約なし) ・・・ 従来どおり

③ 他の障害保険に入っているので契約なしと申告 ・・・ 今回決断たもの
 VISAカード (ゴールド) に付帯する海外旅行保険と、その不足分を補完するように、他の海外旅行保険を掛けていたので、効果が少ないと判断した。 また、レンタカー事故にも適用されることも確認した。

④ 投資対効果を計算して契約なしと申告 ・・・ 今回決断したもの
 この Super CDW は、車両保険の免責額 (750 euro) を 75 euro まで下げる保険である。
 この保険は、一日当り 12.60 euro (課税対象) であるから、保険料は、25日間で 315 euro かかることになる。




 費用対効果を調べるために、最悪の車両関連事故が起きたと仮定する。

1. Super CDW を契約した場合
 75 euro の支払いで済むが、25日分の掛け金 315 euro も払うことになるので、出費合計は 390 euro になる。

2. Super CDW を契約しなかった場合
 750 euro の出費になるが、保険を掛けた場合と比較すれば、750-390=360 euro (約 \57,600) の損失になる。 しかし、この額は払えないほどのものではないと判断して、契約を止めた。 契約した場合と比較して、出費 390 euro 以上の事故が無ければ利になるからである。

 これを仮に損益分岐点と呼ぶと、損益分岐点 = 390 euro となる

⑤ ヤングドライバー契約なし (申し出なければ契約なし) ・・・ 従来どおり

⑥ 追加ドライバー1名 (家内) で契約 ・・・ 従来どおり








§ 終わってみれば
 今回、保険で新しい試みをしたが、それは良かったのか悪かったのか、振り返ってみよう。 思えば、予期せぬことが起こったのである。







§§ (その1) タイヤのパンク
 予期せぬことが起こった。 旅行中にタイヤがパンクしたのである。  パンクに気がついたのは、やっと見つけた民宿について、荷物を運ぼうとしたら、右後輪が少し凹んでいた。 パンクであることは一目瞭然ではあったが、もう暗かったので朝までそのままで置いていた。

 この日は、予定の目指す町でいい宿が見つからず、それでは次の町で行って探そうかということになった。 少しでも先に行くのは、遅れるよりはいいからである。

 それが次の町に到着すると、前の町より小さくて、宿はありそうもない。 また、次の町までということを繰り返している内に、陽が沈んでしまった。

 そして、次第に町と町の間隔が遠くなって、舗装道路の道は快適ではあったけれども行けども行けども町が現れなった。 車の行き来もほとんどない。 もしこのとき、もう少しパンクが進行していたら、私は途方に暮れたことだろう。







§§§ タイヤのパンク時の対応は?
 私は、レンタカーでパンクしたときの対処方法については、全く考えていなかった。 事故の場合については、保険会社だとか、レンタカー会社へ連絡しなければならないから、その心づもりもしていた。

 ところが、パンクの場合、勝手にパンク修理をしてもよいものやら、連絡しなければならないのやら、パンフレットにも、どこにも記載されていなかった。

 とりあえず、レンタカー会社にどうしたらよいのか聞いてみようと、宿のカウンターまで電話を借りに行った。 若い兄ちゃんは、ここの電話は市外には架けられないし、この辺りの公衆電話でも無理だろうという。 緊急事態であるから、それでも架けないわけにはいかない。 公衆電話がある場所だけは教えて貰った。


グローバル・コーリングカード
 私は、グローバルワンと呼んでいる。 このカードのロゴマークが "Global One" とデザインされているからである。

 海外から電話を掛ける場合、公衆電話が便利であるが、その国のテレホンカードとかコインを大量に用意しておくのが難しいものである。

 それがこのカード持っていると、料金はクレジットカード払いになるから、公衆電話から一通話料金以上のコインが一枚あれば、国際電話が架けられる。

 このカードは、単に会員証であるから、これを電話機に通すものではない。 公衆電話ならコインがいるが、フリーダイヤルだから終われば戻ってくる。

① コインを入れる
② 滞在している国のアクセス番号 (フリーダイヤル) を入力する
③ 音声案内が聞こえてくる。
④ コーリングカード番号を入力する
⑤ 暗証番号を入力する
⑥ 先方の電話番号をダイヤルする

 私はこの手順をほとんど使ったことがない。 音声案内が一方的に喋っているのを聞き流していると "Hold on" という声が聞こえて、やがてオペレータが出て来てくれる。

 音声案内は耳が達者であれば問題ないが、聞き取れなかったりすると、聞き返すことが出来ないから不便である。

 また、今回のように、予期せぬところへ掛ける場合、国番号などが分からないことがあるが、オペレータが出てくれると、そういう意味で助かるのである。
<参考> http://www.globalcallingjapan.com/



 レンタカー会社のミュンヘン中央駅営業所に電話した。 車を借り出したところである。 緊急対応ができるように24時間電話が繋がるようになっているようだ。 しかし、それも確かではない。

 最初、オペレータは電話が繋がらないといってきた。 レンタカーでパンクしたから緊急事態である。 何とかして欲しいと頼んだものだった。

 しかし、電話がかからないというのは、緊急もくそもない、相手先の情報がうまく伝わっていなかったようである。


パンクと言っても通じない
後々、このパンクという言葉を何回も使うことになったが通じることは無かった。
タイヤがダメージを受けたと表現したら通じた。






 相手先をミュンヘン Munchen と伝えたが、これはドイツ語の発音である。 英語で話しをしているのに、これでは通じなかったかもしれない。 英語ではミューニック Munich である。

 国番号を聞かれたが、私も知らない。 また、ドイッチュランド Deutschland とか言ってしまったものだから、余計にこんがらがったかも知れない。 ジャーマニー Germany というのが思い出せなかったのである。




 やっと電話が通じたのであるが、電話に出てきた男は、パンクごときで、何で電話をかけてくるのかといった感じでそっけない。 こちらは、新品のタイヤを買って返却しなければならないのか、パンク修理して返却すればよいのか分からないから聞いているのである。

 金銭的にも大違いであるし、また、後になって、何故に電話連絡をしなかったのかと言われるのが嫌だから電話しているのである。


 すると、パンクは保険の対象外であるから、新品にするのか、パンク修理するのか好きにしろ、というだけである。



 要するに事故処理を担当する人にとっては、消耗品扱いのタイヤがパンクしたなどということは対象外のことであり、指示の出しようがないのであろう。

 これでは、議論しても通じないと分かって電話を切った。 こちらとしてはパンクの件は電話連絡したという事実と、指示通り、タイヤ交換やパンク修理は勝手にすれば良いことが分かった。

 ただ、タイヤの新品交換の請求が来るかもしれないという覚悟はしなければならなかったが、電話したお陰で一応の安心感が得られた。

 そのあと、修理屋さんに持ち込むと釘が刺さっていたことが分かり、すぐ修理してもらったが、それに到るまでには、色々と思い出話が重なり、一言では伝えられないので、別の機会に譲ることにする。

 cf. タイヤ交換もままならない










§§ (その2) 右前輪、穴凹に落ちる
 ハンガリーの、とある高原を走っていたときの事である。 見晴らし台が眼に入り、数人の人影があったので、立ち寄ることにした。 見晴台と言っても道路脇に広場があり、断崖から落ちないように簡単な手摺りがあるだけである。

 また、広場は舗装もされていないから、凸凹しているのは、見れば分かる。 それを横から家内が大声で、『穴があるから気をつけて』 と叫んだ。

 『そんな大声を出さなくても分っている』 と言おうとしたら、ドスンという音がした。 私は別の穴のことに気を取られていたようである。 家内は一瞬青ざめたであろうことは気配で分かる。



 私は、これまでレンタカーでは経験ないが、傷の一つや二つは元より覚悟の上である。 この程度では大したことがないと思いつつ、降りて調べてみると、やはり何ともなさそうである。 大事故にでも合ったかのように心配顔の家内も、これを見て安心したようであった。

 もし、オイルパンに穴でも空けば走れなくなるが、そのような気配はまったくなかった。 しかし、まだ、宿も決まっていない、山の中である。 車が無事でよかった。








§§ 無事に check in
 25日間のレンタカーの旅も、ミュンヘン空港で終わった。 check out は、ミュンヘン中央駅であったが、check in は、次の訪問地であるドバイに直接いけるように空港にしたのである。 in/out が同一国内であれば、乗り捨ては無料である。

 check in 担当者に、パンクの件は申告して、修理したことを説明した。 すると 『日本語でもいいから、伝えたいことをここに書いて下さい』 と言われて用紙を渡された。 トラブル内容が日本の営業所にも分かるように配慮したのであろう。

 穴凹に落ちたことは、何も自己申告はしなかった。 傷も何もないからである。

 そうしている間にも、担当者は、テキパキとデジカメであちこち写真を撮っていたようである。 いつもは、ろくに調べもしないでいたから、ちゃんと調べて欲しい、帰国してからイチャモンを付けられても困るではないか、と心配したほどだったのである。

 ところが、今回は、やけに丁寧に調べているようである。 それはそれで面白くないのである。 パンクなどという、普通では考えられないことが起こったのであるから、よほど無茶な走り方をしたのだろう。 ならば、他にも傷の一つや二つあるのではないか、というように思ったのではなかろうか。

 そのように思われるのが面白くないのである。









§§ 意外な請求書
 帰国後しばらくしてレンタカー会社から請求書が郵送されてきた。 タイヤの補償代と共に、車体の前側スカート部に凹みと傷の修理代が含まれていた。 私が調べたときには気がつかなかったが、穴凹に落ちたときに出来た傷であることは間違いない。 写真が添えられていた。


表2
  単位 euro 円換算 (\160/euro)
タイヤの補償代 88.74 14,198
洗車代など 4.50 720
作業工賃 93.72 14,995
塗装代 176.68 28,269
小計 363.64 58,182
税金 19% 69.09 11,054
総合計 432.73 69,236








§§§ タイヤの件
 タイヤの補償代は、新品交換ということだろう。 これは予想の範囲である。 修理したタイヤをお客に回して、バースト事故でも起こったら大変であるからだ。

 また、修理が完全かどうか調べるという手もあるが、これは手間がかかるだけで、益は少ないであろう。 無条件に新品に交換するのがいいかもしれない。

 この件をレンタカー会社に確認したら、新品交換か修理でもOKか、といった規定は、特にないと言っていた。 ただ、車体も、一般に比べたら、新車に切り替える時期を相当早くしていると言っていた。 そこのところを汲んで欲しいという。 安全重視ということが判断基準になるようだ。

 ただ、パンクの際に、新品交換すると言っても、同じメーカーのものが直ぐに手に入るとも限らない。 また、他のメーカーの物を使って良いと言うものでもなかろう。 (Goodyear 製であった)

 だから、パンクすると、修理はしなければ走れないわ、あとで新品交換の代金の請求されるわ、要らぬもの入りになるのは避けられない。







§§§ スカート部の傷の件
 予想外の請求であったが、これも、文句の付けようがない。 修理代が適正なものかどうかは信用するしかない。







§§ 効果の確認
 「免責軽減制度 (Super CDW) を契約しなかった」 ことに対する効果の確認をする。

 表2 から、請求総額は 432.73 euro であることが分かる。 しかし、その内、消耗品であるタイヤのパンクは保険の対象外である。 Super CDW の有無に関わらず請求されることになる。

 従って、パンク代を差し引いた 432.73 - 88.74 = 343.99 euro が、Super CDW保険の対象になる。 この額は、表1の理由④で計算した損益分岐点の 390euro を僅かではあるが、下回るものである。

 ということは、今回、この契約しなかったことに、益があったといえることになる。




§§ 反省
 確かに、「免責軽減制度 (Super CDW) を契約しなかった」 ことが有利に働いた。 また、契約しなかったからといって、理由④で述べたように、最悪でも困るほどの金額ではない。 それでも次回からは契約しようと考えている。


 当初、"full insurance" を見直そうと考えたのは、無駄な投資はしないというところにあった。 確率的に有利であるかないかで決めることではなかった。

 もし確率が小さいということで決めるなら、不利に働くことがあるということである。 今回の場合、もう少しダメージが大きかったら、不利になっていただろう。 

 さらに、「最悪でも困るほどの金額ではない」 といって、"契約しない" 理由にしたくないと思うようになった。

 というのも、保険は、"おまじない" である。 「大難は中難に、中難は小難に、小難は無難に」 と願う気持ちを損ないたくないのである。

 あくまで "無駄な投資は止める" という判断基準に徹したい。





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